IT投資の失敗(当初期待していたような効果がだせない)の原因には様々なものがあり、それらが複雑に絡み合って失敗に至るということには議論の余地がないだろう。
例えばよくあげられる原因には以下のようなものがある。
・そもそも計画が妥当でなかった(そのコスト・スケジュールで実施するのに無理があった)
・要件定義のチェックが甘かった
・プロジェクトマネジメントがしっかりとできていなかった
・委託先にスキルが足りなかった などなど
これらの解決策として、よくあるのは
・ルールやツールを作って/使って、マネジメントシステムを作りましょう、というものである。
では、プロセスを導入したらうまくいくようになるのか??
答えはNoである。
私が根本的な原因と考えることと、その解決策をあげよう。
根本的な原因として考えられるのは、
・役割分担が明確でないこと と
・関係者に当事者意識がないこと である。
トヨタ生産システムを形だけ導入してしまい、結局成果に結びつかない事例が多いことからも上記はいえるのではないだろうか。
プライベートの例で考えてもみてみよう。
この会を成功させる、ことにミッションを持った幹事がいない場合、全員が「こんなタイプの子がいい」、「こんな店がいい」、「雰囲気はXXX」などと言い出してそれに責任を持たないのは容易に想像が出来る。
解決策としては、
・明確な役割分担 と
・当事者意識の醸成(その当事者とは受益部門であり、経営者であるかもしれない) にあると考える。
この役割分担と、当事者意識の醸成であるが、実務で難しいのはどちらが鶏でどちらが卵かという議論ではないか。
当事者意識が醸成されていないと、役割分担で大反対が巻き起こる一方で、
役割分担を定着化させることで当事者意識が醸成できる面もある。
個人的には、まず経営が役割分担以外の形で当事者意識を醸成してから、役割分担の必要性を理解させ、
その分担にしたがって業務を遂行する事によりより深い当事者意識を醸成するのがよいと思う。